「思い込みのチカラ」

「思い込みのチカラ」

2024,7,22

かれこれイラストレーターという職についてからだいぶ長い年月が経ちました。
今回は自分が若い時にどのようにこの道を選択し行動したのかを述懐してみたく思います。

テーマとしては「思い込み」が人生を切り開く、という話です。

今思えばわりと無謀で困難な職業を選択したと思います。
長年の経験と周りの人たちを見てきてそう思います。
それでもどうにか進んでこれてきました。
それにはこれから書くこんな思考技術があったからかもしれません。

私は幼少の頃から絵を描くのがとにかく大好きで得意としてきました。
クラスで(なんなら校内で)一番絵がうまい人。そんな小中高を過ごします。
この素養は本当にありがたいことだと思っています。

なので高校時代は何の疑問もなく美大進学を希望します。
そのために予備校に通うことになるのですが、
そこでは自分が突出して絵が上手いというわけではない現実を知らされだいぶショックを受けることになます。
そのような環境で自分も奮起して努力をすればまだ良かったのですが、
面倒くさがり、さぼり癖のある自分は努力を怠り、当然のように美大受験に失敗します。

その性格のせいもあり高校卒業後も浪人をボイコットしてアルバイトだけの生活をするようになりました。
危機感の欠如と目先の楽しさだけを追った選択でした。まぁ舐めてましたね。

そんなアルバイト生活してるその年の秋頃に
自分の人生について考えさせられる事柄があり(今書いている話と関係ないので端折ります)、
「俺はいったいなにをやっているんだ」
「俺は何がしたいのか」
と自分の存在、人生についてだいぶ自問することとなりました。

答えは、
「絵が描きたい」
「絵を描く職業につきたい」
と自分は強く思っていることにあらためて気づき、
「絵を描く職業ってなんだ?」
「イラストレーションか!」
と、思い至り、すでに美大受験には時間が足りなかったので
専門学校でイラストレーション科がある学校を探すことにしました。
今思えば思慮が浅く安直といえば安直ですが。

そして翌年の春からデザイン系専門学校のイラストレーション科での勉学がスタートします。
この頃もうすでに自分は「イラストレーターになる」としか考えておらず何も疑いもありませんでした。

こんな「思い込み」から始まります。
なんの根拠も後ろ盾もなく、そうなると思い込んでいました。

2年生となり就職活動時期になります。
幸いにも学校推薦で紹介してくれたデザイン制作会社に入社することが叶います。

その会社にはイラストレーション部があり、
そこに配属され晴れてイラストレーターという職業に就くことが出来ました。

この成果も、こうなると思い込みまくっていたので自分では当然という感覚が強かったように振り返ります。

そして会社ではしこたま多忙な業務をこなす日々を過ごしますが、
数年の時が経ち、しだいにフリーランスに挑戦したい願望が芽生えます。
この時も「難しいかも」「失敗したらどうしよう」という不安な気持ちはあまりなかった記憶です。
なれて当然とまで思っていました。
20代という向こう見ずな若さの勢いが成せたワザかもしれません。怖いもの知らずと言いますか。

フリーランスを選択しようと考え始めた時に
運良くそれに繋がる恩人との出会いもあり、会社を辞める決断をすることが出来ました。
そして20代半ばの年に会社を飛び出し、フリーランスイラストレーターの道を進むこととなります。

最初はもちろん不安もありましたが、
とにかく営業活動に注力しわりと早い段階で仕事を数々いただくことに成功しました。

振り返るとその時はがむしゃらだったのかと言えば実際はそういう感覚もなく、
とにかくやるべきことが明確だったのでそれを愚直に遂行していった。そういう感覚です。
しんどかったなぁという記憶もあまりありません。
楽しかったとさえ思えています。辛かった記憶が飛んでるだけなのかもしれませんが(笑)

そのように、やるべきことが明確だったのは
「こうなる!」と「思い込んでいた」
からブレる余地がなくクリアだったのだと思います。

思い込んでるとその道しか見えません。
ここで言ってる思い込みは「信念」とも言い換えられます。
「思い込み=信念」目標に対して使うのであれば強力なパワーを発揮します。
私は「フリーランスのイラストレーターとして立派に仕事をしていくんだ」
と、それだけを強く思い込んでいたのでそれが行動になり成果に繋がるパワーを発揮したと思っています。

桔川さんだから出来たんでしょ?
と言われるかもしれませんが、
自分は子供の頃からどちらかというと臆病で慎重で現実主義な性格でした。
何かにチャレンジするのを億劫に感じたり、腰が重かったりするところもあります。

しかし、ことこの
「イラストレーターになる」
という目標については
「なれて当然」
という
「思い込み」
がことさら強く、そのパワーによって成し得た部分が大きかったのだと思い起こします。
なんでそこまで思えたのかわかりませんが、
「思い込んで」「脳を騙していた(洗脳していた)」としか言いようがありません。
それが、そこに向かうパワーを自然に苦なく発揮させてくれたのだと考えます。

「思い込みのチカラ」恐るべしです。

私の仕事の話で例えましたが、
どんな職業でも生活でも恋愛でも、人生全般に使えるひとつの思考技術かもしれません。

本当にやりたいこと、成し得たいことが皆それぞれあるのではないでしょうか。
思い込んで脳を騙してみてはいかがでしょう。

そんなお話でした。